おとなごころ
Vol.8 サイフォン
こだわりは豆だけにあらず。温かな灯りで際立つ珈琲の深み。

まず、軽く目を閉じる。鼻からカラダ一杯にその香りを吸い込む。そして、ん?なんと旨い香りがすることか…と唸る。
珈琲を淹れるたび、この一連の作業が一種、儀式のようになってしまう。ゴボゴボと水を吸い上げ、ぽたり、ぽたりと滴が落ちる?。サイフォンで淹れる珈琲は、出来上がるまでの時間さえ、旨いと思うほど、好きだ。
先日、ふらりと立ち寄った喫茶店で、珍しいサイフォンを知った。これまで知っていたのは、アルコールランプやガスで水を沸騰させるタイプだったが、これは違った。薄ぼんやりとした灯りが灯るなんとも不思議なカタチ。ハロゲンランプの熱を利用するこのサイフォン、淹れる時間も味わいも変わらない。ただ、まわりをぼんやり照らしながら、珈琲の香りを漂わせる?。なんとも旨い演出をするものだ。珈琲は豆だけではなく、技術と方法で味わいが変わるが、それだけではなく、淹れる時間さえ旨いと感じる演出でも変わるものらしい。
取材協力/ラッキーアイクレマス(株)
文 音無ひびき
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